医療法人社団やまと 日吉慶友クリニック(内科・耳鼻咽喉科・整形外科・在宅診療)

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平成30年11月2日OMC勉強会レポート

2018/11/13

平成30年11月2日OMC勉強会レポート

今回のOMC勉強会では、井田病院の西先生から事例を紹介いただきました。テーマは「せんべい布団を奪われ褥瘡ができた事例」。

布団から室内をゴロゴロと転がりながら生活をされていた患者さんに対し、介護ベッドを導入したところ褥瘡ができてしまい、敗血症となり入院3日後に急死されたという内容です。
ヘルパーの介助が辛いこともあり、介護ベッドを導入した方がよいのでは、というケアマネージャーの意見に対し、医療者側は本人の廃用防止のためにも今はベッドを導入しない方がよいと考えていました。しかし医療者側の許可なくベッドが導入されたという経緯がありました。

そのため西先生が以前、この事例を別の勉強会で取り上げた際には、「ケアマネが良くなかった」という結論で終わってしまったとのこと。他の視点やアプローチはなかったか、グループに分かれて話し合いました。

【各グループから出た意見】

●各事業所間の連携について

・ベッドの搬入にあたって、担当者会議をしていればよかったのではないか。
・病院側と事業者側の共有ノートなどで、やりとりできたのではないか。
・訪看が浣腸だけかけてヘルパーが便処置するのは、ヘルパーが大変だったと思う。また、車椅子に移動する機会があったとしたら、膝が曲がらない状態で、布団から車椅子に移乗介助するのは大変だったと思う。ヘルパーから何が大変だったのかを具体的に聞けていれば、他に何か対策や和解ができたのではないか。
・褥瘡ができた段階でもカンファレンスが必要だったのではないか。
・担当者会議の開催は、必ずしもケアマネージャーから言い出さなければならないものではないので、誰かが言い出せばよかったのではないか。
・主治医と訪看、ケアマネージャーとヘルパーが、それぞれ同じ事業所だった。そのため、お互いの意見が言いづらい関係だったのではないか。
・「医療者」というだけで脅威を与えているので、安全な話し合いの場をつくることが必要。

●自宅の環境づくりについての意見

・低床ベッドであればよかったのではないか。
・テレビを見る際にギャッジアップすることが褥瘡の一因となっていたたと考えられるため、ギャッジアップしなくてもいいようなテレビの配置ができなかったか。
・ベッドと布団両方おいて、選択できる環境をつくればよかったのではないか。

●その他の意見
・せんべい布団のままでいた場合の褥瘡のリスクはどうだったのか。ベッドでなくても褥瘡ができていた可能性(栄養状態や病体等、医療的見解)はあったのか。
・ヘルパーが辛いからという理由が主であったととれるが、本人にとってはどうだったのか。
・本人はベッドで満足していたかもしれない。本人の意向をくみとれる人はいたのだろうか。たばこや常用しているサプリメントを買ってくれる人など、インフォーマルで手伝ってくれた人がいたのではないか。
・もう少し周りを巻き込む動きができたのではないか。色んな人たちが関わることで、色んな視点が入ったのではないか。
・地域包括支援センターも巻き込んでもよかったのではないか。そうすることで、ケアマネージャーが一人で悩まず相談できた。
・自治体の保護課にも働きかけてみればよかったのではないか。そうすることで、障害支援サービスの導入を検討できたり、本人の意思決定支援に関わる人を探ることができたかもしれない。
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参加された方々からは、「ケアマネの専門的な意見が聞けて勉強になった」「先生と気軽にディスカッションできて良かった」などの感想をいただきました。
アンケート結果はこちら

次回は12月7日(金)18:30〜、「虐待疑いのある認知症高齢者の事例」をテーマに事例検討会を行う予定です。年末で忙しい時期とは思いますが、似たようなケースでお困りの方、関心がある方にはぜひお越しいただき、一緒に考えることができれば幸いです。